古典文法・助詞と敬語|理解して答える音声レッスン 古文は現代の発音で各文を一度だけ読みます。問いの後に4秒、考える間があります。 古文の助詞と敬語、五十枚を学びます。問いを一度聞いたら、四秒の間に答えてみましょう。そのあと、正解と理由を聞きます。古文の文は、一度ずつ読みます。分からなかったところは、あとでもう一度、確かめてください。 古文は、現代の発音で読みます。たとえば、文字では「たまふ」と書く語を、ここでは「たまう」と読みます。画面の原文と、聞こえる音の違いにも慣れていきましょう。 助詞の基本 助詞は、言葉と言葉をつなぎ、関係や意味を示します。接続とは、すぐ前の語がどんな形か、ということです。活用とは、語尾が変化することです。形と、前後の話の流れを、組み合わせて判断しましょう。 01 [j01] 助詞の働き 助詞は、文の中でどんな働きをしますか。 [4秒、考える間] 答えは、語と語の関係や、意味を示します。 助詞そのものは、語尾が変化しません。何に付いているかを見ます。 例文。花を、見る。 「を」は、見る対象を示します。 02 [j02] 接続と文脈 助詞の意味を判断するとき、まず何を見て、その次に何を見ますか。 [4秒、考える間] 答えは、まず接続、次に文脈です。 接続とは、直前の語の形。文脈とは、前後の話の流れです。 例文。咲かば。咲けば。 同じ「ば」でも、前の形が違うので、意味が変わります。 03 [j03] 係助詞の仲間 「ぞ、なむ、や、か、こそ」は、何という助詞ですか。 [4秒、考える間] 答えは、係助詞です。 文中の語を目立たせ、文の結び、つまり文末の形に関わります。 例文。月ぞ明かき。 意味は、月が明るい。「ぞ」に応じて、結びが連体形になっています。 接続助詞 二つの内容のつながりを聞きます。未然形は、「咲かば」の「咲か」のような活用の形。已然形は、「咲けば」の「咲け」のような形です。未然形の「ば」は仮の条件。已然形の「ば」は、起きた出来事や理由、いつもの関係を表します。 04 [s01] 未然形とば 未然形に付く「ば」は、基本的にどう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、もし、何々ならば、と訳します。 未然形の「ば」は、まだ事実と決めていないことを、仮に条件として置きます。 例文。風吹かば、帰らむ。 意味は、もし風が吹いたなら、帰ろう。 05 [s02] 降らばの判断 「雨降らば、家にゐむ」。この「ば」は、どんな条件を表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、もし雨が降るなら、という仮定の条件です。 「降ら」は未然形です。文全体は、もし雨が降るなら、家にいよう、という意味です。 06 [s03] 已然形とば 已然形に付く「ば」の、代表的な三つの訳し方は何ですか。 [4秒、考える間] 答えは、何々すると。何々ので。何々すると、いつも。 起きた出来事、理由、いつも成り立つ関係のどれなのかを、前後の文から選びます。 07 [s04] いつもの関係 「春になれば、花咲く」。毎年の自然な成り行きとして読むと、「ば」はどう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、春になると、いつも花が咲く、です。 「なれ」は已然形です。ここでは、毎年繰り返す関係を表します。 08 [s05] すると 「門を開けば、客立てり」。一回の出来事として読むと、「ば」はどう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々すると、です。 「開け」は、四段活用「開く」の已然形です。門を開けたところ、客が立っていた、という出来事を表します。 09 [s06] 理由を表すば 「病重ければ、出でず」。この「ば」は、どう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々ので、です。 「重けれ」は已然形です。病気が重いので、出かけない、という理由を表します。 10 [s07] 前の形を比べる 「ば」の前が未然形か已然形か、迷ったらどうしますか。 [4秒、考える間] 答えは、前の語を活用させ、形を比べます。 例えば、四段活用では、未然形はア段の音、已然形はエ段の音です。 例文。行かば。行けば。 「行か」は未然形。「行け」は已然形です。 11 [s08] どとども 已然形に付く「ど」や「ども」は、基本的にどう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々けれども、と訳します。 前の事実を認めたうえで、予想とは反対のことを続けます。これを逆接といいます。 例文。呼べども、答へず。 意味は、呼ぶけれども、答えない。 12 [s09] 降れどもの判断 「雪降れども、旅立つ」。この「ども」は、どんなつながりを表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、けれども、という逆接です。 「降れ」は已然形です。雪が降るけれども、旅立つ、という意味です。 13 [s10] 仮定と逆接 未然形に付く「ば」と、已然形に付く「ども」は、どう違いますか。 [4秒、考える間] 答えは、「ば」は、もし何々ならば。「ども」は、何々けれども、です。 未然形の「ば」は、仮の条件です。已然形の「ども」は、事実を認めて、反対の内容を続けます。 例文。行かば。行けども。 意味は、行くならば。行くけれども。 14 [s11] つつ 「つつ」は、動作について、どんな意味を表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々しながら。または、繰り返し何々して、です。 二つの動作を並行して行う場合や、動作の継続、繰り返しを表します。 例文。歌ひつつ行く。 意味は、歌いながら行く。 15 [s12] ものの 連体形に付く「ものの」は、基本的にどう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々けれども、と訳します。 前の事実から予想することとは、違う内容が続きます。 例文。知るものの、語らず。 意味は、知っているけれども、話さない。 係助詞と副助詞 係助詞に応じて、文の結びが決まるのを、係り結びといいます。連体形は、名詞に続くときの形で、「高き山」の「高き」が例です。「ぞ、なむ、や、か」の結びは連体形。「こそ」の結びは已然形で、「高けれ」が例です。 「なむ」は「なん」と読みます。書くときの形と、音読するときの読みを結び付けましょう。 16 [k01] ぞなむやかの結び 係助詞の「ぞ、なむ、や、か」に応じる、結びの基本の形は何ですか。 [4秒、考える間] 答えは、連体形です。 文中の係助詞に応じて、文末の形が決まるのが、係り結びです。 例文。月ぞ明かき。 「明かき」は、連体形です。 17 [k02] こその結び 係助詞「こそ」に応じる、結びの基本の形は何ですか。 [4秒、考える間] 答えは、已然形です。 「こそ」は語を強め、結びが已然形になります。 例文。花こそ美しけれ。 花は、まことに美しい。「美しけれ」は、已然形です。 18 [k03] なれの形 「これこそ宝なれ」。結びの「なれ」は、何形ですか。 [4秒、考える間] 答えは、已然形です。 「こそ」に応じています。「なれ」は、断定の助動詞「なり」の已然形です。 19 [k04] 高きの形 「山ぞ高き」。結びの「高き」は、何形ですか。 [4秒、考える間] 答えは、連体形です。 「ぞ」に応じています。「高し」が、連体形の「高き」になっています。 20 [k05] 疑問と反語 文中の係助詞「や」や「か」は、どんな意味と結びに注目しますか。 [4秒、考える間] 答えは、疑問か反語か。そして、連体形の結びです。 反語とは、問いかける形で、実は反対の答えを強く表すこと。どちらかは、前後の文から判断します。 21 [k06] 続くこそ 「こそ」の結びが已然形で、その後に反対の内容が続くときは、どう訳すことがありますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々けれども、と訳すことがあります。 後ろの内容と対比させます。すべての「こそ」を、この訳にするわけではありません。 例文。花こそ美しけれ、香はなし。 意味は、花は美しいけれども、香りはない。 22 [k07] 結びが見えないとき 係り結びで予想した文末の形が見えないとき、何を確認しますか。 [4秒、考える間] 答えは、結びの省略や、消滅を確認します。 結びの言葉が省かれたり、接続助詞で後ろへ続くため、決まった形が現れなくなったりします。まず文の切れ目を確かめます。 23 [k08] だにの二つの意味 副助詞「だに」の、基本的な二つの訳し方は何ですか。 [4秒、考える間] 答えは、せめて、何々だけでも。何々さえ。 願いなどと結び付く場合は、せめて、と訳します。一つを挙げ、ほかはなおさらだと思わせる場合は、さえ、と訳します。 例文。声だに聞かまほし。 意味は、せめて声だけでも、聞きたい。 24 [k09] 名だに 「名だに知らず」。この「だに」は、どう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、さえ、と訳します。 名前さえ知らない、という意味です。最低限のことも知らない、と強めています。 25 [k10] すらとさへの違い 副助詞「すら」と「さへ」は、基本の意味をどう区別しますか。 [4秒、考える間] 答えは、「すら」は、何々でさえ。「さへ」は、そのうえ何々までも、です。 「すら」は、一つを挙げて、ほかはなおさらだと思わせます。「さへ」は、すでにあるものに、さらに加わることを表します。 26 [k11] 強めるし 副助詞「し」は、どんな働きをしますか。 [4秒、考える間] 答えは、言葉を強めます。 現代語訳では、強調の言葉を無理に足さず、自然に訳してよい場合があります。 例文。我し思ふ。 意味は、私は思う。 終助詞 終助詞は、文の終わりなどで、話し手の気持ちを表します。自分がしたいのか、ほかにしてほしいのか。感動なのか、念押しなのか。誰のどんな気持ちかを、聞き分けましょう。 27 [t01] ばやの願い 終助詞「ばや」は、誰の願いを表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、話し手自身の願いです。 何々したい、と訳します。「自分がしたい」という気持ちです。 例文。都へ行かばや。 意味は、都へ行きたい。 28 [t02] 見ばや 「花を見ばや」。この「ばや」は、どんな気持ちですか。 [4秒、考える間] 答えは、花を見たい、という話し手の願いです。 「ばや」は、未然形に付きます。ここでは「見る」の未然形、「見」に付いています。 29 [t03] 終助詞なむ 未然形に付く終助詞「なむ」は、どんな願いを表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、相手や、ほかのものに、何々してほしい、という願いです。 自分がしたい、という「ばや」と区別します。文中の係助詞「なむ」とも、働きが違います。 例文。早く帰らなむ。 意味は、早く帰ってほしい。 30 [t04] 帰らなむ 「友よ、早く帰らなむ」。友に帰ってほしいという意味で、この「なむ」は、係助詞ですか、終助詞ですか。 [4秒、考える間] 答えは、終助詞です。 「帰ら」は未然形です。そこに終助詞「なむ」が付き、友に帰ってほしいと願っています。 31 [t05] かな 文末の終助詞「かな」は、どんな気持ちを表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々だなあ、という感動です。 感動を言葉にすることを、詠嘆といいます。 例文。月の明るさかな。 意味は、月の明るいことだなあ。 32 [t06] かし 終助詞「かし」は、どんな働きをしますか。 [4秒、考える間] 答えは、念を押します。 相手に、何々よ、何々ね、と強く伝えたり、確かめたりする気持ちです。 例文。忘るなかし。 意味は、忘れないでね。 33 [t07] てしがなとにしがな 「てしがな」や「にしがな」は、どんな気持ちを表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、何々したいものだ、という自分の願いです。 文末で、強い願いを表す形として覚えます。 例文。都へ帰りてしがな。 意味は、都へ帰りたいものだ。 敬語 敬語では、動作をする人、その動作の向かう相手、話を聞く人を区別します。基本は、尊敬語が動作をする人を高め、謙譲語が行為を低く表して相手を高め、丁寧語が聞き手に丁寧に伝えます。「給ふ」のように、語ごとに用法が分かれる場合も確かめます。 34 [h01] 敬語の三種類 古文の敬語の、三つの種類は何ですか。 [4秒、考える間] 答えは、尊敬語、謙譲語、丁寧語です。 基本は、尊敬語が動作をする人、謙譲語が動作の向かう相手、丁寧語が聞き手や読み手です。下二段活用の「給ふ」のように、別の使い方もあります。 35 [h02] 尊敬語の向き 尊敬語が高めるのは、誰ですか。 [4秒、考える間] 答えは、動作をする人です。 文の主語に当たる人を高めます。 例文。殿、おはす。 意味は、殿がいらっしゃる。「おはす」は、殿への尊敬です。 36 [h03] 謙譲語の向き 謙譲語は、基本的に、動作をする人と、その動作の向かう相手の、どちらを高めますか。 [4秒、考える間] 答えは、動作の向かう相手を高めます。 動作をする人の行為を低く表して、その向かう相手への敬意を表します。 例文。殿に申す。 意味は、殿に申し上げる。言葉を伝える相手の、殿を高めます。 37 [h04] 丁寧語の向き 丁寧語は、誰に対する敬意を表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、聞き手や、読み手です。 話や文章を丁寧にする働きです。動作をする人を高める、尊敬語とは分けて考えます。 38 [h05] 御覧ず 「帝、御覧ず」。「御覧ず」は何語で、誰に敬意を向けていますか。 [4秒、考える間] 答えは、尊敬語で、帝への敬意です。 「御覧ず」は、「見る」の尊敬語です。見るという動作をする、帝を高めています。 39 [h06] 申す 「帝に申す」。「申す」は何語で、誰に敬意を向けていますか。 [4秒、考える間] 答えは、謙譲語で、帝への敬意です。 「申す」は、「言ふ」の謙譲語です。言葉を受ける相手の、帝を高めています。 40 [h07] おはす 「おはす」や「おはします」は、どんな動詞の尊敬語ですか。 [4秒、考える間] 答えは、「あり」、「行く」、「来」の尊敬語です。 いらっしゃる、おいでになる、と訳します。どの動作かは、前後の文で判断します。 例文。帝、宮におはす。 意味は、帝が宮にいらっしゃる。 41 [h08] おぼす 「おぼす」は、何という動詞の尊敬語ですか。 [4秒、考える間] 答えは、「思ふ」の尊敬語です。 お思いになる、と訳します。思うという動作をする人を高めます。 例文。殿、よしとおぼす。 意味は、殿が、よいとお思いになる。 42 [h09] のたまふ 「のたまふ」は、何という動詞の尊敬語ですか。 [4秒、考える間] 答えは、「言ふ」の尊敬語です。 おっしゃる、と訳します。発言する人を高めます。 例文。帝、帰れとのたまふ。 意味は、帝が、帰れとおっしゃる。 43 [h10] 二種類のたまふ 「給ふ」は、四段活用と下二段活用で、敬語の種類がどう違いますか。 [4秒、考える間] 答えは、四段活用は尊敬。下二段活用は、謙譲です。 四段活用なら、お与えになる、または、何々なさる。下二段活用なら、補助動詞として、聞き手に自分側の動作をへりくだって述べます。何々ております、などと訳し、活用と文脈で区別します。 44 [h11] 召す 尊敬語「召す」は、食べ物、衣服、乗り物と結び付くと、それぞれどう訳しますか。 [4秒、考える間] 答えは、召し上がる。お召しになる。お乗りになる。 何を食べるか、何を着るかなど、対象の言葉を手掛かりにします。 例文。衣を召す。 意味は、衣をお召しになる。 45 [h12] 参る 人のところへ向かう「参る」は、まず、何という動詞の謙譲語として覚えますか。 [4秒、考える間] 答えは、「行く」や「来」の謙譲語です。 参上する、と訳します。向かう先の、身分の高い人を高めます。 例文。帝の御前に参る。 意味は、帝の前に参上する。 46 [h13] 奏すと啓す 「奏す」や「啓す」は、何という動詞の謙譲語ですか。 [4秒、考える間] 答えは、「言ふ」の謙譲語です。 「奏す」は、帝や上皇などに申し上げること。「啓す」は、中宮や東宮などに申し上げることです。言葉を受ける相手に注目します。 47 [h14] 中宮に啓す 「中宮に啓す」。この「啓す」は何語で、誰を高めますか。 [4秒、考える間] 答えは、謙譲語で、中宮を高めます。 「言ふ」の謙譲語です。中宮に申し上げる、という意味で、言葉を受ける中宮への敬意です。 48 [h15] 侍りと候ふ 「侍り」や「候ふ」が、丁寧語として使われるとき、どんな意味を表しますか。 [4秒、考える間] 答えは、ございます。おります。または、何々ます、です。 聞き手に丁寧に伝えます。もともとの、身分の高い人にお仕えする、という謙譲の意味とは、文脈で区別します。 例文。ここに侍り。 意味は、ここにおります。 49 [h16] 敬意を別々に考える 「殿、花を御覧じ侍り」。「御覧ず」と「侍り」は、それぞれ誰への敬意ですか。 [4秒、考える間] 答えは、「御覧ず」は、殿への尊敬。「侍り」は、聞き手への丁寧です。 見る動作をするのは殿です。一つの文でも、敬語ごとに、敬意の向かう先を分けて考えます。 50 [h17] 迷ったら三人 敬語の向きに迷ったら、まず、どの三つの立場を確かめますか。 [4秒、考える間] 答えは、動作をする人。動作の向かう相手。聞き手です。 基本は、尊敬が動作をする人、謙譲が動作の向かう相手、丁寧が聞き手です。そのうえで、「給ふ」など、語ごとの使い方も確かめます。